韓国テファ研修センターにおける討議内容

Clubhouse Three-Week Training Discussion Groups

討議1 メンバーとスタッフの関係 (Relationships)         

  1. メンバーとスタッフの関係は交換できますか?(監督者? 友人? ケースマネージャー?)
  2. メンバーとスタッフはどのくらい親密な関係ですか?
  3. メンバーが行うことができないものは何ですか?
  4. 関係をコントロールする仕事は何ですか?
  5. 私たちは、家族ですか?
  6. 真の関係を発展させることと仕事の緊急性をどう釣り合わせますか?
  7. メンバーとスタッフの違いは何ですか?
  8. メンバーとスタッフは、クラブハウスの外で付き合わなければなりませんか?
  9. スタッフは、特定のメンバーと親密にするのと、すべてのメンバーと公平にするのをどのように釣り合わせますか?

参考文献

  • エリー・インディア:クラブハウスのメンバーとスタッフとの関係の親密さ
    Ely India:Closeness in Clubhouse Relationships
    Psychosocial Rehabilitation Journal, Volume 16, Number 2, October 1992.
  • ローレンス・ヘリナン&ヘレン・ニスティコ:クラブハウスにおけるスタッフの地位と対等な人間性(37ページに所載)
    Lawrence Hallinan and Helen Nistico:From Pedestal to Personhood: Staff in the Clubhouse, Australian National Mental health Services Conference, 1994.
  • ロビー・ヴォルスパン:クラブハウス・モデルにおける姿勢と構造
    Robby Vorspan:Attitudes and Structure in the Clubhouse Model, The Fountain House Annual Volume 4, December 1986.
  • ロビー・ヴォルスパン:クラブハウスにおけるメンバーとスタッフの関係
    Roberta Vorspan:Member/Staff relationships in the Clubhouse Model,The Fountain House Annual Volume 3, December 1985.

討議2 デイ・プログラム (The Work-Ordered Day)

  1. 「デイ・プログラム」とは何のことですか?
  2. デイ・プログラムで、メンバーとスタッフはどのように仕事に従事しますか?
  3. デイ・プログラムは、投薬を受けている診療所や精神療法プログラムとどう違いますか?
  4. 心の病を抱える人々にとって、仕事はどんな特別の価値を持っていますか?
  5. 「日常生活活動クラス」とデイ・プログラムとの違いは何ですか?
  6. 「クラブハウス共同体の運営と強化において、クラブハウスが創り出す仕事を除いて」、クラブハウスでの仕事の意義は何ですか?
  7. メンバーは、どうしてクラブハウスのための仕事に対して賃金を得られないのですか?
  8. どうして、クラブハウスのレクリエーション活動は、特に仕事にかかわらないメンバーのために、日中行わないのですか?
  9. クラブハウスでの仕事に参加することは、どのようにして、メンバーに「自己価値、目標、および自信」を獲得させることができますか?
  10. 多くのメンバーは技能不足なのに、どうして、クラブハウスでは特定の職業訓練も提供してはいけないのですか?

参考文献

  • 基準(Standards)14条、15条、16条、および、17条 (96ページに所載)
  • ジャクリーン・ペコフ:患者からあたりまえの人間へ (26ページに所載)
    Jacqueline Peckoff,:Patienthood to Personhood, Psychosocial Rehabilitation Journal, Volume 16, Number 2, October 1992
  • ロビー・ヴォルスパン:クラブハウスでの日常生活活動:真空状態では真空掃除機は使えない (15ページに所載)
    Roberta Vorspan:Activities of Daily Living in the clubhouse:You Can’ t Vacuum in a Vacuum,Psychosocial Rehabilitation Journal, Volume XII. Number 2, October 1988
  • ロビー・ヴォルスパン:なぜ労働は機能するのか (21ページに所載)
    Roberta Vorspan:Why Work Works, Selected Paper, Fifth International Seminar on The Clubhouse Model, St. Louis, Missouri. August 1989.
  • ロビン・ジャクソン:作業はどのように役立つのか
    Robin Jackson:How Work Works 

討議3 就労 (Employment)

  1. 過渡的雇用は、どうしてクラブハウス就労プログラムの土台なのですか?
  2. 一般就労および援助付き雇用は、どこがクラブハウスに適しているのですか?
  3. 「メンバーの権利」として、過渡的雇用はどんな意味と意義を持っていますか?
  4. どうして、過渡的雇用はパートタイムで期限付きなのですか?
  5. どうして、メンバーを外部の就労サービス機関に任さないのですか?
  6. デイ・プログラムと就労はどのような関係にありますか?
  7. 過渡的雇用に就くメンバーの選択と訓練を、雇用主ではなく、クラブハウスが行うのには、どのような意義がありますか?
  8. なぜ、過渡的雇用の管理は、過渡的雇用専門家によらずに、クラブハウスのすべてのスタッフが行うのですか?
  9. メンバーが一般就労で成功するよう援助する上で、クラブハウスの役割は何ですか?
  10. 一般就労したメンバーは、クラブハウスでどのような役割を持っていますか?
  11. 一般就労したメンバーに対して、クラブハウスは何を行いますか?
  12. 仕事へ戻れる準備のできた人をどのようにして知りますか?

参考文献

  • 基準(Standards): 19条、20条、21条、および、22条 (96ページに所載)
  • マーガレット・ビアード:過渡的雇用を実施しないための10の言い訳と11の理由(69ページに所載)
    Margaret Beard :Ten Excuses Not to do TE, Eleven Reasons Why, Selected Paper, Fourth International Seminar on the Clubhouse Model ,Seattle, Washington, 1987
  • ラルフ・ビルビー:過渡的雇用に対する批判への回答
    Ralph Bilby:A Response to Criticisms of Transitional Employment, Psychosocial Rehabilitation Journal. Volume 6, Number 2. October 1992.
  • ラルフ・ビルビー:過渡的雇用の倫理
    Ralph Bilby:The Ethics of TE, Selected Papers. The Fourth International Seminar on the Clubhouse, Seattle, WA 1987.
  • スーザン・フランク:一般就労に対するクラブハウスの援助
    Susan Frank:Clubhouse Facilitation of Independent Employment, Selected Paper, Seventh International Seminar on the Clubhouse Model, Worcester, MA. August 1993
  • ダヴィッド・ポール:クライシス状態より就労へ:私の経験(67ページに所載)
    David Paul:From Crisis to Career—My Story, Psychosocial Rehabilitation Journal

討議4 仕事の組織化(Organizing the Work

  1. クラブハウスにおけるユニットの機能は何ですか?
  2. どのようにして、ユニットの数を決めますか?(ここで、クラブハウスのスペースについて討議する)?
  3. 構成されたユニットの中で、どのように働くべきですか?
  4. 毎日、ユニットの中でどのような種類のミーティングを行うべきですか?いつ行いますか?
  5. よいユニットミーティングにするには、何が必要ですか?
  6. 「急ぎの仕事」とはどういうことですか?
  7. どのようにして、クラブハウス内のすべての仕事にメンバーがアクセスできるようにしますか?
  8. メンバーが、ユニット内の作業を継続的に行うための最良の方法は何ですか?
  9. 一つのユニットに何人のスタッフが適切ですか?
  10. どのようにして、1日中エネルギーをもち続けますか?

参考文献

  • 基準(Standards): 7条、8条、9条、10条、および18条(96ページに所載)
  • スティーヴ・アンダーソン:ファウンテンハウスのスタッフの役割
    Steve Anderson:Role of Staff a Fountain House, The Fountain House Annual December 1986.
  • ビル・ウォーター:作業ユニット:クラブハウスの精神(60ページに所載)
    Bill Waters:The Work Unit—The Heart of the Clubhouse

討議5 役割と責任Roles and Responsibilities

  1. すべてのスタッフとメンバーの役割は、交換可能ですか?
  2. メンバー数との関係で、最適なスタッフ数をクラブハウスは、どのようにして決定できますか?
  3. メンバーは自発的に働くのに、どうしてスタッフには給料が支払われるのですか?
  4. スタッフだけ、あるいはメンバーだけのミーティングを行わないのはなぜですか?
  5. 所長が「責任の最後の線」を負うということはどういうことですか?
  6. 仕事がきちんと行われたかを確認する責任は、誰が負いますか?
  7. スタッフに対する「総合職」とは、どういうことですか?

参考文献

  • 基準(Standards): 8条、9条、10条、20条-I (96ページに所載)
  • マーク・グリックマン:誰もランチを作りたがらないとき何が起こるか:クラブハウスにおける責任の最低線(78ページに所載)
    Mark Glichman:What Happens if Nobody Wants to Make Lunch: Bottom Line Responsibility in the Clubhouse, Selected Papers, The Fourth International Seminar on the Clubhouse Model St, Louis, Missouri, August 1989  

討議6 メンバーシップとクラブハウスの自発的性質Membership and the Voluntary Nature of the Clubhouse Model

  1. どうして、自発的意思でメンバーになったり、参加することが、クラブハウスの重要な一部なのですか?
  2. どのようにして、メンバーは承諾書や契約なしで、参加を期待できるのですか?
  3. クラブハウスでの仕事は、メンバーやスタッフにとって、重荷と思われていますか、それともよい機会だと思われていますか?
  4. 必要とされる、求められる、および、期待されるという概念は、クラブハウスの自発的性質とどのように調和しますか?
  5. 一生涯メンバーの資格があるということの何が、そんなに重要なのですか?それは、クラブハウスへの依存性を助長しませんか?
  6. クラブハウスには来るけれども、何にも参加せず、ただ、座っていたり、タバコを吸っていたり、コーヒーを飲んでいるようなメンバーに対して、何をしたらよいですか?
  7. メンバーが、クラブハウス共同体の全般的安全を著しく脅かすとき、クラブハウスはどのように対処したらよいでしょうか?
  8. メンバーがクラブハウスへの参加状況を記録・保持する作業に参加することは、何が重要なのでしょうか?

参考文献

  • 基準(Standards): 1条、2条、3条、4条、5条、6条 (96ページに所載)
  • ジョン・ビヤード、ルディヤード・プロプスト、トーマス・マラマッド:精神科リハビリテーションのファウンテンハウス・モデル
    John H Beard, Rudyard N. Propst, Thomas J Malamud:Fountain House Model of Psychiatric Rehabilitation, Psychosocial Rehabilitation Journal, Volume V, Number 1, January 1982.
  • マーク・グリックマン:クラブハウスの持つ自発的性質(10ページに所載)
    Mark Glickman:The Voluntary Nature of the Clubhouse, Psychosocial Rehabilitation Journal, Volume 16, Number 2, October 1992.

討議7 クラブハウス国際開発センター(ICCDThe International Center for Clubhouse Development

  1. ICCDの使命は何ですか?
  2. クラブハウスのための連携組織は、どうして必要なのですか?
  3. ICCDのメンバーシップはどのように機能しますか? そして、なぜ、加盟しなければならないのですか?
  4. ICCDの認定プログラムとは何ですか?
  5. クラブハウスは、なぜICCDに認定されることを望むのですか?
  6. 認定を申請する適切な時期はいつですか?
  7. どのようにして、ICCDの仕事にかかわれますか?
  8. クラブハウス・モデルに関する世界会議とは何ですか?
  9. クラブハウス連合とは何ですか?

参考文献

  • ICCD:クラブハウス認定(パンフレット)(102ページに所載)
    The ICCD Certification Brochure
  • ICCDメンバーシップのパンフレット
    The ICCD Membership Brochure
  • ケネス・デュデックおよびリーヴァ・ステイン:クラブハウスの設立:マサチューセッツ成功物語
    Kenneth Dudek & Reva Stein:Organizing for Clubhouse—The Massachusetts Success Story

討議8 管理方式:クラブハウスにおける意思決定と方針決定Governance:Decision and Policy Making in the Clubhouse)

  1. クラブハウスは、民主的ですか? 決定はどのように行われていますか?
  2. コンセンサスとは、どういう意味ですか?
  3. クラブハウスの中に、メンバーのための管理方式、メンバーの委員会、あるいは、権利擁護委員会の場所がありますか?
  4. クラブハウスの目標は何ですか?(メンバー運営、または協力方式?)
  5. 「エンパワーメント」の概念は、クラブハウスにどう適合しますか?
  6. 「独立した」クラブハウスとはどういうことですか?
  7. 意思決定および方針決定において、権利擁護委員会あるいは理事会はどのような役割を持っていますか?
  8. クラブハウスに損害を与えるような方針および規則を、クラブハウスはどのように取り扱うことができますか?
  9. メンバーとスタッフは、所長の最終的責任に関したクラブハウスの意思および方針決定に、どのように参加しますか?
  10. クラブハウスの管理において、基準はどのような役割を持っていますか?

参考文献

  • 基準(Standards): 32条、33条、34条、35条 (96ページに所載)
  • マーク・グリックマン:羅生門、理学療法、および、ボストン大学モデルについての経験(*訳注:著者は、ボストン大学での経験から、専門家によってさまざまに見識が異なることを芥川龍之介の「藪の中」を映画化した黒澤明の「羅生門」をタイトルに用いることで表現していると思われる。)
    Mark Glickman:Rashomon, Physical Therapy, and My Experiences with the Boston University Model, Selected Papers , Seventh International Seminar on the Clubhouse Model, Worcester, MA 1993
  • ケヴィン・ブラドレイ:クラブハウスにおける意思決定
    Kevin Bradley:Decision Making in the Clubhouse, Selected Papers, Eighth International Seminar on the Clubhouse Model Salt Lake City UT, 1995

討議9 クラブハウス・プログラムの基準The Standards for Clubhouse Programs

  1. なぜ、基準は開発されたのですか?
  2. 基準の見直しおよび改良のためには、どのような手続きを行いますか?
  3. 他より重要な基準はありますか?
  4. 基準は、ICCDの認定とどのような関係がありますか?
  5. もっと討議が必要な基準はありますか?

参考文献

  • ルディヤード・プロプスト:クラブハウス・プログラムの基準(105ページに所載)
    Rudyard N. Propst:Standards for Clubhouse Programs, Psychosocial Rehabilitation Journal. Volume 16, Number 2, October 1992